今、東日本住民にとって心配されるのは、福島第一原子力発電所の事故です。気の早い方はもう西日本に避難しているようですが、本当に危ないのか冷静になってみたいと思います。
まず、よく耳にするようになった「シーベルト」。「シューベルト」ではありません。「シューベルト」なら大歓迎ですが、残念ながら「シーベルト」。これは生体への被曝の大きさの単位です。
ちなみに「被爆」と「被曝」では似ているようですが、意味が違います。「被爆」は核爆弾など核兵器によって攻撃を受けた時に使われる言葉で、「被曝」は放射線に晒されるときに使われる言葉です。自然界には自然放射線といって、自然界に存在する放射線(ラジウム温泉とか宇宙線など)があるので、実は常に「被曝」しています。ですから、報道などで「被曝」したなんて言われると、怖いし特別なことが起こったように思いますが、通常より多い量の放射線を浴びましたと理解しましょう。
シーベルトに戻ります。このシーベルト。よーく聞いていないとえらい勘違いを起こします。数字の大きさに惑わされず、発表される単位をちゃんと聞きましょう。ちなみに報道で発表されるのは、「/hまたは/時」、1時間あたりの数値であることが普通です。但し書きがなければ「1時間に」と思ってください。
報道で使われるのは、主に以下の4つです。
1シーベルト(SV)
1ミリシーベルト(mSV)
1マイクロシーベルト(μSV)
1ナノシーベルト(nSV)
それぞれの関係は・・・・
1シーベルト(SV)=1000ミリシーベルト(mSV)=1000000マイクロシーベルト(μSV)=1000000000ナノシーベルト(nSV)
となります。
ちなみに1ミリシーベルトは1000マイクロシーベルト。1マイクロシーベルトは1000ナノシーベルトってことです。
次。
放射線ってどのくらい浴びると危ないのって話です。これは人体の局部的か全体的かによっても違ってくるそうですが、4シーベルトを一度に浴びると50%の人がすぐに死にます。8シーベルトを一度に浴びると100%すぐに死にます。
一度に浴びたとして健康被害が出てくるのは、0.25シーベルト。つまり250ミリシーベルトです。ですから、3月15日に発電所内で400ミリシーベルトを観測したという報道がありましたが、これも1時間に400ミリシーベルトの強さですよということですので、前に書いた死に至る確率50%の値が4シーベルトつまり4000ミリシーベルトよりは全然低く、まあ、仮に1時間律儀にそこにいて浴びたとしても、健康被害はあるものの死ぬことはないわけです。10時間いても半分の確率で生きます。20時間いなければ確実に死ねません。
その時に埼玉では1222ナノシーベルトを観測したと言われています。1222ナノシーベルトは1.2マイクロシーベルト。1.2マイクロシーベルトは0.0012ミリシーベルト。0.0012ミリシーベルトは、0.0000012シーベルトです。死ぬと言われてる4シーベルトと比べてみましょう。
4シーベルト
0.0000012シーベルト
仮にこの1222ナノシーベルトを1年間浴び続けたとしても、0.010512シーベルトです。
4シーベルト
0.010512シーベルト
うーん、とても死にませんねえ。
健康被害が出ると言われている0.25シーベルトに届くのにも25年かかるってことですね。
次。
仮に10マイクロシーベルトを1年間浴びたとします。10×24(時間)×365(日)=87600マイクロシーベルト。お、危なそうだ・・・
87600マイクロシーベルト=87.6ミリシーベルト
100ミリマイクロシーベルトでは健康被害は起きないと言われています。しかも例えば横浜で常に1時間に10マイクロシーベルトを観測するようなことにでもなったら、放射線量というのは距離の二乗に反比例するので、250km離れた福島原発での放射線量はもの凄いことになり東日本は完全にアウトです。そしてこの数値はありえません。なぜなら、チェルノブイリ級の爆発事故が毎日起き続けなければならないからです。
現実的な数値に近づけて・・・1時間に1マイクロシーベルト(1000ナノシーベルト)だったとしても、1年間では8760マイクロシーベルト=8.76ミリシーベルト。健康被害を起こすためには最低でも30年弱常にこの値を被曝しなくてはなりません。
ちなみに、日本で1年間に自然に浴びる放射線は、1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルトと言われています。世界平均では1年間に2.4ミリシーベルト=2400マイクロシーベルトだそうです。つまり通常生活でもそのくらいは浴びてるということです。でも大丈夫。人間は意外に強い。
ついでに言うと、1年間の放射線の値が高いのは西日本の方なんですって。理由は黄砂に含まれる放射線。一時期中国は楼蘭で核実験ばっかりやってましたよね。あとはごにょごにょ。調べれば調べるほど興味深いことが出てきました。チェルノブイリもしかり。
マスコミは煽りすぎだと思います。普段の何倍とか言われたら、たとえ事実だとしてもそれは怖くなりますよね。しっかりサブコメントするべきです。私もこの何日間は死を覚悟しました。しかし、逆に開き直って改めて調べてみると何かおかしい。そして、意外に大丈夫だということが分かりました。
ということで、言葉に惑わされず冷静に数値を見ることが大切ですね。後は自分の判断。最終的には、東日本に残るも良し、西日本に行くも良し、という結論に至りました。ご参考まで。