黒船
先日行われた東薬合唱団定期演奏会の一部をこっそりYOUTUBEにアップしてたんです。そしたら作曲者が見つけてくださり、直々にコメントをくださいました。
この曲は、Steve Dobrogosz(スティーブ・ドブロゴス)が、星野富弘の詩に作曲した「ZAKURO」という組曲の3曲目になります。 楽譜のネットショップで有名なパナムジカから送られてくるメルマガで知ったんですけれど、試聴をしてすぐさま「これだ!!」と思い、ちょうど学生が定演の選曲をしてたので紹介し、やることになりました。
兼ねてから、日本の合唱曲は傾向が偏っていると思っていました。合唱というのは、あくまでも演奏形態の一つであって、その中に様々なジャンルの曲があるはずなのに、日本ではなぜか独特な「日本の合唱曲」というジャンルが大半を占めています。もちろん、その中には私も大好きな曲が沢山あります。が、その他のジャンルとなると、一気に選択肢が狭まるのです。例えば、ジャズテイストなものがあってもよいし、Jポップみたいなものがあっても良いと思うんです。一応そういったものもあるにはあるんですが、そのほとんどは何かの編曲物であってオリジナルではありません。
信長貴富さんが「新しい歌」という組曲を発表したときに、こぞって演奏された背景には、こういった事情を抜きには語れません。個人的には、これで日本の合唱曲に新たな風が吹いたなと、今後を期待してたのですが、未だ「新しい歌」を超えるものは出ていません。他の作曲家にしても、何かといえば谷川俊太郎のテキストばかりだし、作られる曲は相変わらず。挙句の果てには技巧に走っているだけ。
そんな閉塞した日本の合唱曲に黒船のごとく現れたのが、この「ZAKURO」です。我々は日本人ですから、やはり日本語で歌える曲を欲しています。西洋の宗教音楽にしたって、ほとんどの人がクリスチャンでは無いわけで、どんなに綺麗な演奏をしようとも、根本的には祈りの音楽にはならないというジレンマを抱えています。ラテン語・ドイツ語・英語などは自分たちの言葉ではなく、仕方が無く借りているだけ。西洋の大作曲家はもちろんのこと、近年ではドブロゴスやミシュキニスやチルコットなどの作品が頻繁に演奏されていますけど、なぜ演奏されるかといえば、日本の合唱曲には無いテイストがあるからで、もし、同様のものが日本語で歌えるとなれば、大半の人はこっちを選ぶのではないでしょうか。
今回、海外の作曲家が日本の詩を選び、作曲した。しかも、そのテイストは素晴らしく、日本の作品には少ないジャンルのものである。この組曲は流行りますよ。断言します。だってカッコイイもん。歌いてえ!!って思うもん。
ドブロゴス氏には、今後も日本語の詩を使った曲を是非に発表して欲しいです。飢えてますよ、我々は。他の海外の作曲家も、日本は大きな市場だと思うのでチャレンジしていただきたいと切に思います。
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