神のもの
わたくし、一応テノール歌手という顔も持っているじゃないですか。(いつのまにか指揮がメインになったなあ。最近、全然舞台で歌ってない。ま、いっかあ。)
で・・・
テノールだということが分かると、
必ずこう言われるんですよ。
「トゥーランドット歌ってください♪」
言わずと知れた、プッチーニ作曲歌劇「トゥーランドット」の名アリア「Nessun Dorma」"誰も寝てはならぬ”である。フィギュアスケートの荒川静香さんが五輪で金メダルを取ったときに使用した曲ということで有名になってから、本当によく言われます。(ちなみに、「千の風になって」を歌ってくださいと言われることは、まず無いなあ。)「演奏会で歌ってくださいね」と言われるのならまだ良いのだけれど、仮にもプロに向かって、酒の席などの余興で歌ってくれなんぞ、誠に失礼。絶対に歌うか、馬鹿者め。
第一、あの歌は「神のもの」なのである。
私にとっての「神」は、PAVAROTTIである。忘れもしない、1990年。イタリアワールドカップ決勝前夜祭コンサートで聴いた「神」の歌唱は完璧だった。頭を100tくらいの鉄球で殴られたような衝撃だった。あれ以来、「Nessun Dorma」は、「神だけのもの」になった。実際、PAVAROTTI以外が歌う「Nessun Dorma」は、まったく聴いていない。自分が歌っても、あの歌唱には絶対に近づけない。歌えば歌うほど、自分が惨めになっていく。そんな思いを抱かせるほどの凄まじい歌唱。ある意味、それを聴けたことは幸せでもあるのだけれど。
という訳で、私にとって、この曲を歌うことは、精神的にかなりキツイことなのです。
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